妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~







常木さんはそう言うとおばあちゃんと出会った頃の話をしてくれた。




「僕が小学生だった頃の、夏祭りの日の話です。


妖守としての初仕事、妖面をかぶり両脇にならんだ屋台の花道をひたすら歩かなければなりませんでした。


妖守ひとりで歩くことが条件だったため、父や母はもちろん着いてきてくれず、僕ははんべそをかいていました。


そんな時に声をかけてくれたのが、フユコさんでした」