グッと距離感を縮めて、初っ端からなかなかの殴りをかます伊織。
それをさらっとかわす姫野。
身体能力の高さはピカイチ。


「あっ、顔は狙ってもいいけど寸止めにしてね」


学校で何か疑われるのもやだし、と。
にっこりと微笑むと、壁を蹴り上げて身を翻す。
空から飛び蹴り、なかなかのトリッキー。
とは言っても、さすがの伊織も少しかがみ込みながらかわすと無傷で回避。


そこから、ニヤリと笑うのが姫野。


「やーりっ!」


着地と同時に低い回し蹴り。
伊織の足を払って、バランスを崩すと、そのまま伊織の上に馬乗りになる姫野。


「これで、いかがでしょう?」
「あー……流石だね?」