「……それは、その……気の迷いと言いますか……」
「なに?迷ったの?」
「え、っと、あの、寂しくて……」


シュン、とどんどん萎縮していく陽向。
涙目で視線を落として、最後に。


「……沙彩ちゃんだって、雪兎と色々してたくせに」


普通に私の心を抉ってきた。


……実際そうだから何も言えないし。
て言うかわざわざそれ言い出す必要なくない?
夏のあの喧嘩で終わったことじゃなかったの?


……気持ちは、わかるけどさ。


実際、陽向も同じ理由で私問い詰めてるわけだし。


「……いいよ。何も、ない」


結局、それ言われたらこっちだって何も言えなくなっちゃう。
私はパタっとベッドに倒れ込んで、壁に顔を向ける。


……酷いことしてるの、私も変わんないし。
ていうか、何言っても多分、私の方が最低だし。
理由は同じでも、好きでもない人と何回も体重ねてるわけだし。


まだ、少しでも好きな人といちゃついてる方が健全だと思う。