綺桜の舞う

「はい残念。ボクの勝ちね。
ユキ、どうする?仲間ボクがやっちゃったけど」


立ち上がりたい気持ちはあるけど、あの破壊力は、やばい。
叶奏ちゃんやら薫風やらがこれより強いんなら、少なくとも俺に勝ち目はない。


組の人間相手だと、こうも無力か。


「……俺が曖昧な返事しかしてやれなかったから、だよな。
ごめん」


掠れた声が響いた。
ユッキーは苦しい顔をして、琥珀ちゃんを見つめる。


俺の視界は既に霞んでいて、少し気を抜いたら意識が飛びそう。


このままじゃ、ここでの勝ち目はない。
これじゃ陽向が先に進めない。
信じてないわけじゃないけど、湊だけで薫風と戦える気がしない、のに……。


……何か、突破口は。


「違うよ、ユキ。さっきから言ってるでしょ?ボクは───」








「なぁ琥珀、隠すの下手すぎ。演技もほどほどにしてよ」
「なっ」


ユッキーは突然、さっきの切羽詰まった顔とは違って、掠れた声とは違って、いつも通りの優しい顔で、いつも通りの全部を包み込むみたいな声で。