綺桜の舞う



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『明日の2限目、旧校舎2階の実験室に来てください』


昨日、ボクが叶奏ちゃんのスマホに送ったメッセージ。
先週、ユキがベッドでぐっすりの時にスマホを拝借して連絡先をもらった。


結局、触ったのがバレて、叶奏ちゃんの連絡先を取ったことに関してはお咎めなしだったんだけど、ユキのスマホ触ったことが割とガチで嫌だったらしくて、夜中の3時から3階戦目に突入したのは本当にしんどかった。


傷んだ髪に手櫛を入れて、相手を待つ。
健気にも時間通りにやってきてくれた、私よりも少しだけ背の低い総長さん。


「こんにちは」
「……こんにちは」


普段見かけるのと同じような優しい笑みを浮かべて、叶奏ちゃんは現れた。


「一応聞くけど、敵……ってことであってるよね?」
「……ボクは、刃牙の人間です」
「あぁ……そう」
「単刀直入にお話しします。別に、焦らすこともないので」


叶奏ちゃんはハキハキと喋るボクをやけにしっかり見つめて、ボクの話に耳を傾けてくれる。