「……これじゃ、誰も救われない」
「……」
「夜桜の誰1人も、助からない、ボクだってこのままじゃどうにもならない。……ユキも、」
「ごめんね、何も考えてなくて。全部口から出まかせで。
できないのに助けるなんて言ってごめんね?」
「……ゆ、き……?」


ただの八つ当たりだった。
ただ、本当に俺が悪いだけなのに、琥珀のこと困らせて、全部俺の自分勝手で、こうなったのも俺のせいなのに。


「琥珀のこと好きになってごめんね?困らしちゃってごめん。
俺が勝手に、自分の欲望に負けたせいで誰も救われなくてごめんね?
琥珀は助けようとしてくれたのに、結局全部俺が台無しにしちゃったね。俺まじで死んだ方がいいかもね」


最後まで、琥珀の『そんなことないよ』を求めてしまっている。
最低だ。


「……ユキが死んじゃったら、誰がボクのこと、助けてくれるの……?」
「……っ」