綺桜の舞う

叶奏は背伸びして俺の首筋に唇を当てる。


「俺が気づかないうちについてるのは、寝てる間にしてんの?」
「……ごめんなさい」


いつもより、テンションが低い。
謝ってばっか、不安そうな顔ばっか、辛そうな顔ばっか。


今まで夜桜がバタバタ襲われることなんてなかったから、不安なんだろう。


「……ん、」


叶奏は俺の首元から離れると、じっと俺のことを見つめた。
……俺ができることとか、本当に少ないなって思う。


俺は叶奏の顎を掴んでチュッと、唇にキスをする。


「ん、今はこれで我慢して」


俺は叶奏の頭を撫でる。


「……死にそう」


どいつもこいつも、夜桜のメンツはよく死にたがる。


「……さっきので尚更寂しくなった」
「なんでだよ」
「ううううう……」


叶奏は半泣きで俺の方に持たれてくる。


「叶奏?」
「た、ぶん。抗争になるから。
うちの人たち、みんなピリついてる……。
そっちも、気をつけてね」