綺桜の舞う

……ごもっとも。
確かにあいつは昔から男切らさないし、背高いのは気にしてたけど。


「で、なんなのあの子」


あぁ、お怒りモードだ。
いつも通り手は繋いでるけど、声色はもう最悪で、怖くて仕方ない。


「……中学の時付き合ってたやつ」
「ふぅん。そういえばさ、伊織くんの話あったよね。元カノの人数聞きたいんだけど」
「あいつだけ」
「……もうやだ、病みそう」


もう、なんかさ?
病むじゃん、1人しかいないの?なんで?


とぶつぶつ言い出す叶奏。


「1人しかいないとか、本気のやつじゃん、遊びとかじゃないじゃん。マウント取れない、病んじゃう。
湊くんが私以外のこと好きな時代があったとか死にたい」


どうせなら5、6人くらいいてくれたら遊んでたんだなって思えたのに、とか細い声の叶奏。


「好きになったの叶奏だけだから」
「でもさ、でもでも、絶対湊くんモテてたもんね。
なのにあの子だけ付き合うとか、あの子に下心あったんでしょ?無理なんだけど。絶対ヤってる。無理」