俺は琥珀の膝の裏に腕を通して抱き上げると、ベッドの上に投げ下ろした。
少し、苛立ち紛れに。


あぁ、善人になりたい。


「ひゃっ、ちょ、」
「んー、今日は呼んでくれるのはやかったけど、早く帰りたいの?それとも俺と長い時間いちゃいちゃしたいの?どっちかな?」
「ちが……今日はお話しあるって、言った……」


覆い被さる俺の肩を押し返して、困った顔をする。


「終わってからじゃダメなの?」
「ダメ……ボクが寝ちゃったら、ユキは絶対起こしてくれないもん」
「寝顔可愛いもん」


それがダメなんだよ、と俺の体を押し返して、ベッドの上に座り直す。


「情報、取れたから」
「ふーん、どうしたの?あんなに手こずってたのに」
「……まぁ、欲望に正直な人は多いから」


欲望、ねぇ。
俺、いらないこと教えちゃったなぁ、だいぶ。
今になって後悔してるけど、今更なんだよな。


「んで、どういう情報?」
「お姫様だったよ、って話」
「……そ、か」
「……」