綺桜の舞う

泣きそうになる叶奏の言葉を遮って、手で叶奏の頬に触れる。


「心配させてごめんな、ちゃんと、元気なるから」
「……うん」


叶奏は不安そうに俺の頭を撫でる。


「湊丸くなったねほんと。
去年とか病院行こって言ったらあばら二本ヒビ入れられたのに」
「すごく暴力的だね」
「治んないのに行きたくなかったんだよ」


俺はボソッと呟く。
叶奏は俺の言葉に寂しそうな顔をする。
……いらないこと、言ったかも。


「叶奏、大丈夫だから」
「うん、知ってるよ」


不安そうな顔で俺を見るのは変わらない。


「じゃあ叶奏ちゃん、湊のこと殴りたくなるようなこと教えてあげるよ」
「ん?」
「湊の元カノの人数知ったら殴りたくなるよ」
「……やめろ、言わなくていい」