何語かわからない、言葉にならない言葉を発しながら、俺の鎖骨あたりに吸い付く叶奏。
……怖い。やばいやばい、このままスイッチ入ったらどうしよ。
いや、すでに変なスイッチは入ってるんだけどさ。


俺は叶奏を無理矢理引き剥がして抱き上げる。


「……ん、湊くん……」


そしたら、そのままギュッと抱きついてきて、とりあえず落ち着いた模様。


「あ、終わった?」
「……はぁ、精神やられた」
「叶奏ちゃん、キス魔か〜、いーな」
「良くない、しんどい、恥ずかしい」


あ、と思う。


「ふーん、やっぱ恥ずかしいじゃん」
「……るっせ」
「湊可愛いね〜」
「もう本当うるさい。ちょっと部屋出てくんない?
……こいつ何しでかすかわかんないし」
「へいへい、仕方ないね〜。目の前で始められても困るし、退散しまーす」


伊織は陽向を担ぎ上げて、全員を連れて出て行った。


……しねぇよ。


……さぁ、て……この酔っ払いをどうするべきか。
俺はベッドに叶奏を下ろす。


「叶奏?」
「……ん、湊くん……」