綺桜の舞う

「1本目で顔赤いね」
「んー……弱いのどうにかしたいな……」


アルコール3%と書かれたチューハイの缶を見つめる叶奏。
……既に視線が安定しない。


「こりゃダメだな。叶奏死んでる」
「悪酔いしなきゃいいですけどね」
「悪酔いしたらやばいもんね」


蛍もそう思う。
叶奏の場合何パターンかあるんだけど、泣き上戸になったり、すぐ寝ちゃったり、一番たち悪いのはキス魔になること。
蛍、酔っ払ってキス魔になる子初めてみたもん。
本当にすごいよ、誰彼構わず、だから。
蛍もされたことあるし、朔にもしたし。
叶奏いろいろ前科持ちだから。


心持ち悪いことに、叶奏は朝目覚めたらそれを全部覚えてるから毎度泣いてる。
ごめんなさいって。
可哀想だから、怒ってないよって言ってあげる。
でも、雪兎にも沙彩にも謝ってるのはみたことない。


「まぁ今回はあれだね。キス魔になったら、湊くんに投げればいいから楽だね」
「確かにですね」


そして本当に、この30分後、キス魔になる。
投げた。