綺桜の舞う

ちらほら、夕と蛍と朔はゲストルームへ動き出す。


一方綺龍は。


「でかい部屋だな……」
「いおりん、しゃんでりあ！」
「あぁ、キラッキラだな……」


豪勢な作りに圧倒されていた。


「……陽向」


有村が陽向の名前を呼ぶ。
陽向は嬉しそうにちょこちょこと向かっていって、有村の手を取る。有村はひとつも表情を変えずに陽向の手を引いてゲストルームに向かって行った。


……いつの間に、付き合いだしたんだ。


「お2人〜。案内するね、おいで」


叶奏はふわぁっとあくびをしながら、俺たちを手招きする。
俺らは言う通りに叶奏について歩く。


「んーっとね、だいたいみんなが使う部屋って決まってて、右側一番奥からこっち側に、蛍、朔、沙彩。
左側1番奥から、夕、雪兎。1番手前が私で、多分沙彩の隣は陽向くんが使うだろうから他は好きなように使っていいよ」