綺桜の舞う

「計画は2種類。
1つ目は族の倉庫に正面突破。2つ目は揺動作戦」
「地道に潰していくっていうのは？」
「それはこっちの族的にきつい。
表に出れば出るほど、私たちの顔がバレる可能性が上がる。それだけは避けたい。
うちの族には社会的にこういうことしてちゃまずい子たちも多いから」


よくよく聞くと、夜桜にはお金持ちとか、政界の重鎮とか、親がそういう人のやつらが多いらしい。
この前バレた数人は今のところ鬼王から情報が漏れてることもないらしいけど、漏れたら一環の終わり。
夜桜としては、早めに潰してしまいたい、らしい。


金持ちには金持ちの、立場ある奴は立場ある奴の、苦労がある。庶民には理解はしきれないものだろうけど。


「正面突破はそのまま、しっかり全員であいつらの族に乗り込む。計画の進行は早いけど、数の暴力にやられる危険性は高い。
陽動作戦は、敵を散らして箇所箇所で闘う。人数は割れるけど、どこかで想定外のことが起こっても、手助けに行くまでに時間がかかる。


それぞれ難点はあるけど、一番いい作戦はこの2つ、くらい。
場合によっては、夜桜は人数があまり出せない可能性もあるから、揺動作戦は難しいところもあるかもしれないけど」


そんなこんなで、正面突破することを前提で２つの計画を同時に進めた。