綺桜の舞う

チラリ、と視線を向けると……消えた。
なんだあの子……。どこの子だよ。


俺は女の子から目の前の男たちに意識を戻す。


ぺらっと服をめくってみると、タトゥーやら違和感のある傷があるわけでもない。
これでもある程度絞られるけど、そんなに。


その間、ボーッとしたフリであたりを見渡す叶奏ちゃん。
遠くから見ているやもしれぬ追加の敵を探す。


「……黒のバン、あれそうだよ。バックに組がついてるね」


耳元で叶奏ちゃんが俺に呟く。
……それなら、だいぶ絞られる。


バイクのメーターを確認。
几帳面にもガソリン入れるたびにメーターリセットするやつがいるのか、ガソリンの消費やらタイヤのすり減り方やらで、距離もなんとなく把握。
ここから2キロ圏内の、バックに組が付いた族。
忠誠心は見える形で強要しない。


「……鬼王か」
「……っ、」
「図星だね。どしたの?夜桜の地位が目的かな?」