東馬の家族もお守りを買いに行っているとのこと。

売り場が混んでいて、帰ってくるまで時間がかかりそうだったので、雑談しながら時間を潰す。



「何てお願いしたの? 身長伸びますようにとか?」

「ちげーよ。『もっと強運になれますように』って」

「強運?」

「そう。健康運、金運、恋愛運、勉強運、対人運……全体運の強化をお願いした」



全体運……! その手があったか……!



「怜也は?」

「俺は、『告白できますように』って……」

「マジ? とうとう決心したの?」

「……まぁ、ね」



東馬にも、好きな人がいることは話してはいた。
だけど、相手が綿原さんだとは伝えていない。

同級生だからちょっと恥ずかしいし……。


と、思っていたのもつかの間。



「もしかしてさ……相手って綿原さん?」



彼の口から放たれた名前にビクッと体が揺れた。



「な、な、なんで知ってるの⁉」

「何回か一緒に帰ってるところ見たから……」



だぁぁぁぁ! 見られてたのかぁぁぁ!
恥ずかしいぃぃーー!



「アハハ……実は色々あって、一緒に登下校してるんだよ~」



今気づいた。
同じ学区内なら、同級生達を見かけることくらいあるよな……。