奥手な二人の両片思い

「先輩! 何してるんですか⁉」

「「「うわ! 青石さん!」」」



怯えていると、息を切らした清花が現れた。

な……なんで清花がここに……?



「彼女には金輪際関わらないと約束したはずですよね?」

「違うって! 俺らはこのメイドに用があって……」

「どう見ても嫌がってますよね? わからないんですか?」



私の様子に気づいた彼女がキツく言い放つ。

ギュッと目を瞑り、早く終わってほしいと願う。


しかし──。



「…………チッ、年下のくせに調子乗りやがって」



それまで焦っていた声が急に変わり、心臓がバクンと嫌な音を立てた。



「えっ……?」

「顔がいいからって調子乗んなよ性格ブス!」

「ちょっと先輩! 清花さんに向かって何言ってるんですか!」



清花に暴言を吐いた彼に口を挟んだモルくん。

しかし、邪魔するなと言わんばかりに、2人の先輩達に両腕を掴まれてしまった。


どうしよう、これじゃ清花が危ない!



「は……⁉ 先輩、昔私に何て言ったか覚えて……」

「黙れ!」



反論しようとする清花に逆ギレしたかと思えば……清花に向かって拳を振り上げてきた。



「た、助けて……!」