「さてさて、続いても前回出場者の方です! エントリーナンバー8番! 2年2組の冬川詩恩さんです! どうぞ!」



きた……!

星くんを顔を見合せる。
ピアノの音楽に合わせて詩恩が出てきた。



「おおおーー! 美しいぃぃ‼」

「めっちゃ綺麗じゃね⁉」

「妖精が女王になってるーー‼」



場内のあちこちから大きな歓声が上がる。


詩恩は白っぽい金色の髪の毛に、白のロングワンピースを着ていた。

去年の女装は可愛らしい感じだったけれど、今年は綺麗なお姉さん……いや、お姉様だ。



「あっ、写真撮らなきゃ」



急いでスマホのカメラを起動する。

隣を見ると、星くんは既に連写を始めていた。

顔が最高にニヤついている。



「冬川くんは今回リベンジということですが、自信はありますか?」

「はい。友達に応援してもらったので自信あります」



質問ににこやかに答えている詩恩。
良かった。和解したみたいだ。



「実は今日、ここに友達が来てるんです。ちょっと伝えたいことがあるんですけど、話してもいいですか?」

「どうぞ!」



えっ、友達が来てるの⁉ 中学の同級生かな?

先輩からマイクを受け取った詩恩は、一歩前に出て語り始めた。