詩恩side



「詩恩! 今日は頑張ろうな!」

「おぅ。そっちもリレー頑張れよ」



体育祭当日。
教室を出て健と運動場へ向かう。


まだ朝だけど結構観客いるなぁ。

ま、いつも家族は来ないから、今年も緊張せずに集中できそうだ。



自分のチームの席に向かっていると、斜め前方に光野さんとポニーテール姿の明莉を見つけた。



「おはよう、お二人さん」

「「おはよう!」」



後ろから2人の肩を叩いて挨拶した。そのまま4人で移動することに。



「北松ちゃん、応援団はどう? 自信ある?」

「もっちろん! 優勝狙ってるしね! 星くんは代表者のリレーに出るんだよね?」

「うん! この日のために自主練を重ねてきたから負ける気がしないよ!」



笑顔で話す2人の間にバチバチと火花が飛んでいる。

確か赤組は去年準優勝だったから、「今年こそは優勝するぞ!」と気合いが入っているのだろう。



「冬川くん、元気だった?」

「あぁ……うん」



火花を散らしている2人の後ろを歩いていると、光野さんにポンと肩を叩かれた。