「────以上です。本当にすみませんでした」

「いや、こっちこそごめん。ったくあいつめ……恥ずかしいことをペラペラと……」



放課後になり、青石先輩が話してくれた内容を全部話した。

よっぽど恥ずかしかったのか、先輩は赤くなった顔を押さえて後ろを向いている。



「あの、青石先輩をあまり責めてないでください。先輩は俺の質問に答えてくれただけなので……」

「責めないから安心して。それに俺、あまり怒ったことないし」

「……確かにあまり怒るような性格じゃないのは知ってますけど、声のトーンが変わってましたよ」



昼休みの、『放課後空いてる?』の声のトーン。

いつも話している時よりも少し低かった。

そしてあの腕力の強さ。


一瞬ゾクッと鳥肌が立った。

多分、本気で怒らせたら2度と口聞いてくれなくなると思う。



「マジ? 気づかなかった。でも本当に怒ってないから安心して!」

「じゃああれは無意識だったんですか⁉」



たとえ優しくて器がデカいからって、調子に乗っちゃダメだな。

年が近くても目上の人には敬わないと。