「北松さん」

「はいー?」



机におでこをつけてぐったりしていると、頭の上から名前を呼ぶ声が聞こえ、ゆっくり顔を上げる。



「男子の応援団、俺がやることになったから挨拶しとこうかなって。よろしくね」

「あぁ、こちらこそよろしくね~」



挨拶してきたのは、今年同じクラスになった南くん。


南くんならガタイもいいし声量もあるから安心だ。

きっと赤組を優勝に導いてくれるだろう。







応援団同士仲を深めるため、南くんと一緒にお昼ご飯を食べることにした。



「詩恩と同じクラスだったの⁉」

「うん。まさか北松さんと友達だなんてビックリだよ」



南くんはくしゃっと笑って、私の倍はあるであろう、大きな弁当箱に入った白ご飯を口に運んだ。


ビックリするのも無理はない。

タイプが正反対だもん、なんで友達になれたんだろうと思うよね。



「へぇ~! プラネタリウムで出会うなんてロマンティックだね~!」

「そう! 出会いは最高だったの! でも、本人はロマンの『ロ』の文字もないくらい冷めててさぁー」