「別に光野さんに怒ってないけど。あと、健が言ってたことは気にすんな」

「本当……? じゃあどうしてさっき2人が一緒に野菜焼いてた時、すごく怖い顔してたの?」



真っ直ぐこちらを見つめる瞳が少し潤んでいる。

あぁ……なるほど。



「買い物に行った時にケンカしたの……?」

「いや、してない」

「じゃあ……お兄さんが取られると思って睨んでたの?」

「ちげーよ。子どもじゃないんだから」

「じゃあなんで……」


「北松ちゃーん、お風呂どうぞ~」



質問攻めに遭っていると、お風呂から上がった健が頭にタオルを被ってやってきた。


……お風呂が終わってから話せばいっか。


明莉と光野さんを見送り、健と一緒にリビングへ。

ソファーに座って3人で雑談を楽しんだ。


勉強やバイト、友達の話……。
久しぶりにたくさん話せたな。



「そういえば、雄基さんってあまり恋バナしないですよね。恋愛に興味はないんですか?」

「いや? 興味がないわけじゃないよ? 今までも何人か彼女いたことあるし」



何気なく口を開いた健にピクッと体が揺れた。