結局、桐島さんは二十二時まで部屋にいたけれど、陸は帰ってこなかった。 「俺が帰ったらしっかり施錠して」と言った桐島さんを送りだし、しっかり鍵を閉めてからお風呂を済ませてベッドに入った。 翌日、リビングに倒れるようにして寝ている陸を、いつものように踏みつけなかったのは、ただの気まぐれか。 それとも、桐島さんと過ごした時間が思いのほか楽しかったからか。 恋愛に疎い私がその答えに辿りつくのは、まだ先のこと。