「綾瀬せーんぱいっ!」


「……わぁっ!?」


「あははっ、綾瀬先輩毎回驚きすぎですよー! まぁ、それが可愛いんですけどねっ」



なんでこうも毎回後ろからやってくるんだろう?


前から来てくれれば視界に入って、驚かなくて済むのに。


……って天馬くんに言っても、その様子じゃ聞いてくれなさそうだけど。



「今日は"先輩"なんだね」



後半は聞こえなかったフリをして、気になったことをつっこんでみる。



「はいっ! だって今日は学校じゃありませんし……綾瀬先輩と2人きりだから」



そう言ってニコニコ笑顔の天馬くん。


そう、今日は土曜日。


学校はお休みなのに、わたしは天馬くんと駅前で待ち合わせをしている。


何故かと言えば、それは昨日の放課後のお話。