「……っ」



気まずくて、咄嗟に目を逸らす。


わざとらしすぎたかな。


でも、仕方ないよ。


昨日のあの時まで、藤ヶ谷くんは同じ生徒会の良きパートナーとして見ていたんだから。


告白されてから、突然藤ヶ谷くんが男の子に見えて緊張してしまう。



「俺のこと、意識しすぎ」


「そ、そんなこと言われても……」



教科書を朗読する先生の声の裏で、小声で話しかけてきた藤ヶ谷くん。


ただでさえ緊張しているのに、図星をつかれて上手く答えられない。



「まぁ、嬉しいけど」


「……っ?」



フッと笑う藤ヶ谷くんにドクンと胸が鳴る。


おかしいよ、わたしと───


藤ヶ谷くんも。


いつもの授業が、今日はやけに長く感じた。