「目のクマ酷くない? 大丈夫?」


「え、そう? そんなに酷い?」



学校に来て、仁奈ちゃんとの最初の会話がこれ。


挨拶よりも先に、目のクマを指摘されてしまった。



「……っ」



教室について席に座ると、ちょうど藤ヶ谷くんも登校してきたところだった。


藤ヶ谷くんの姿を見て、体が固まってしまう。



「おはよう」


「お、おはよう!?」



しまった、声が裏返ってしまった。


あんなことがあった、次の日の朝。


教室で普通に話しかけてきた藤ヶ谷くん。


昨日告白したとは思えないくらい普通だ。


ソワソワして落ち着かないのはわたしだけ?


今日は大事な生徒総会だっていうのに、全然眠れなかった。



「どうしたの、初花?」



仁奈ちゃんが不思議そうな顔でわたしを見ていた。