ガラッと音を立てて、生徒会室のドアが開かれる。


先輩が戻ってきた。



「……っ!」



多分、全員帰っていると思っていたんだろう。


お化けでも見てしまったかのように驚いていた先輩が可愛くて、つい笑顔になってしまう。



「あっ、綾瀬会長、お疲れ様です!」


「て、天馬くんっ……まだ残ってたの?」


「驚きすぎですよ、綾瀬会長。心配だったので残ってたんです」



正直に僕の気持ちを伝えたのに、先輩はどこまでも鈍感で……



「打ち合わせのこと?天馬くんは仕事熱心だね!少し訂正はあるけど、無事に通ったよ」


「それは良かったですっ……て、そうじゃなくて、綾瀬会長のことですよ!」



自分のことだとは思っていなかったみたいで、また驚いていた。


そんなことよりも。


先輩、さっきよりも更に顔色悪くなってない?


先輩は無理する癖があるから、放っておけない。