「ごめんなさい、それはちょっと……」



さすがに無理だと、やんわり断る。


ダメという返答に、わかりやすく悲しい顔をする新入生くん。


まるでご主人様に甘えに来たのに、構ってくれなかった子犬のように。



「そっかぁ、残念」



今にも泣きそうなほど落ち込んでいる新入生くんに、なんと声をかけたらいいのかわからない。


慰める……っていうのも違う気がするし。



「じゃあ、僕を生徒会に入れて?」



このまま帰るのかと思いきや、明るい笑顔に戻ってそんなことを言い始めた。


……これは、交換条件?


でも、生徒会長としては将来引き継いでくれる後輩は欲しいところ。


もしやってくれるなら、生徒会としては大歓迎。



「うん、いいよ。入部届もらったら記入して提出してくれれば大丈夫」


「本当に!? やったぁー! ありがとう、生徒会長っ」


「……っ!?」


「おいっ!」