「へぇ、すごい上手だね」


「……て、天馬くん? ありがとう」



頭の上から声をかけられて顔を上げると、さっきまで綾瀬会長と話していた天馬くんがいた。



「あれ、綾瀬会長は?」



天馬くんはいつも綾瀬会長の隣にいるイメージなのに、今は綾瀬会長の姿が見当たらない。



「先生に呼ばれちゃって。 多分、体育祭の打ち合わせじゃないかな?」


「あっ、そっか」



綾瀬会長はいつも忙しそう。


なんでも仕事をやりこなしていて、本当にすごいと思う。


そんな姿にやっぱり憧れるし、尊敬してる。



「暇だから手伝うよ! 島元先輩もいないんでしょ?」



天馬くんは綾瀬会長にとことん甘いけど、他の人にも優しい。


それは生徒会だけではなく、クラスでも。


たまたま同じクラスになった天馬くん。


そのかっこよさから、クラスでも人気者。


告白も入学してから何度もされているみたいだけど、その度に好きな人がいるからと断っているらしい。


そんなに愛されている綾瀬会長は、やっぱりすごいなと思う。



「ありがとう、天馬くん。 じゃあ、これで空の色塗ってくれる?」


「おっけーっ!」