ここからだと２人の距離感まではわからないけれど、すごく近くて触れ合っているようにも見える。
「仲良いですよね、あの２人」
「んー誰？」
「綾瀬会長と天馬くんです」
「あぁ……天馬が来た頃はどうなることかと思ってたけど、案外いいペアだよな」
わたしが思っていたことは、島元先輩も同じだったらしい。
そうだよね。
誰から見てもお似合いの２人。
わたしの入る隙なんかどこにも────
「何？ どうかした？」
「いえ！ 作業続けましょう！！」
ポロッと気持ちが漏れてしまいそうになって、必死に心の底へと押し戻した。
わたしが叶わぬ恋に気がついてしまったのは、つい数日前のことだった。
