「仕方ないなぁ、こうですか?」



耳元で囁かれて、天馬くんの指が首筋に当たる。



「……ひゃっ!」


「ふふっ、先輩、かーわいっ」



すっかり気を抜いてしまっていたわたしは、びっくりして変な声が出てしまった。


……本当に恥ずかしすぎる。


はっとして口を手で押えるわたしを見て、天馬くんはくすくすと笑っている。



「ここ、弱いんですねっ」


「……っ、やめてっ」



ゾクゾクして、おかしくなりそうで……


潤んだ目で天馬くんに訴えた。



「ごめんなさい、ちょっと意地悪しすぎました……髪の毛に葉っぱがついてて取ろうとしたんです」



申し訳なさそうに謝る天馬くん。



「僕のこと、許してくれますか?」



そんなこと言われたら、すぐに許してしまう。


わたしって、天馬くんに甘いなぁ。


それは多分、弟の悠太に甘えたがりなところが重なるからなのかもしれない。