3月。



「おっはよー、海先生!」

「海くんおっはー!」

「先生! おはよーございまーす!」


「おはよう」



卒業式が終わり、春休みが近いからか生徒達のテンションが高い。

俺達教師は忙しくて全然気分上がらないけどね。



「先生おはようございます」

「水沢くん、おはよう」



穏やかな様子で挨拶してきた彼がこちらにやって来た。



「清花さんから婚約したって聞きました。おめでとうございます」

「ありがとう」



先月のバレンタインにプロポーズをしたのだけど、無事成功し、婚約したのだ。

学校が終わって一段階したら、籍を入れる予定。



「知っている生徒は俺らぐらいですか?」

「そうだね。この学校すぐ話広まるから、新学期になるまでは内緒ね」

「わかりました!」



こそっと耳打ちをすると、小さな声で了承してくれた。

可愛い。水沢くんってこんなに礼儀正しい子だったんだな。







「おはようございます」

「おはようございます。末松先生に相談したいと、保健室前で生徒が待っています」

「わかりました。ありがとうございます」



校舎に入って先生の話を聞き、保健室を見ると、ドアの前に男子生徒が待っていた。



「さて……今日はどんな相談かな?」



末松海、27歳。
今日も可愛い後輩達の相談に乗ります。



END