「先生こんにちは」

「おお、冬川くん」



黒瀬くんが出て行った直後、1年生の冬川くんが入ってきた。

彼は1年生の中でも、仲がいい生徒。



「どうしたの?」

「相談したいことがあったんですけど……もう時間ないですよね」



時計を見ると、長針は昼休み終了の5分前を指していた。



「あー、そうだね。ごめんね、放課後なら少し時間あるけど……」

「じゃあ放課後また来ます」

「了解」








「失礼します」

「いらっしゃい」



放課後のチャイムが鳴って3分くらい経った後、冬川くんが保健室にやってきた。



「早速相談なんですけど」

「はい、何でしょうか」

「昔好きだった子が別人になっていたんです。どうやって話しかけたらいいでしょうか?」



お行儀よく椅子に座り、じっと目を見つめて口を開いた冬川くん。



「昔とどれくらい変わってたの?」

「……控えめで、ちょっとシャイで、大和撫子のような子だったのが、ガツガツ系のライオンみたいな女の子になってたんです」



彼は溜め息をついて残念そうに肩を落とした。

ラ、ライオン……⁉
一体彼女に何があったんだろうか……。