4月。



「おはよー、先生!」

「海くんおっはー!」

「海先生ー! おはよー!」


「おはよう」



末松海。26歳。

母校の天地高校で養護教諭……保健室の先生をしている。

今年で勤め始めて3年目。生徒達からは海先生と呼ばれている。



「先生おはようございます」

「おはよう青石さん」



丁寧に挨拶してくれた彼女は、2年生の青石清花さん。仲の良い生徒の一人。



「今年は委員会どうするの?」

「まだ決めてないです。
あ、でも保健委員だけは今年は遠慮しておきます」



青石さんは去年保健委員をしてくれた。

けれど、彼女目当てのお客さんが多く、心身共に疲れ切ってしまったらしい。



「そっかぁ、残念。青石さんがいると百人力なんだけどなぁ」

「私がいると消耗品の無駄遣いになりますから」



彼女と別れて校舎に入り、他の先生達にも挨拶をして保健室を開ける。

さぁ、今日も一日頑張りますか。