「佐竹の誕生日?」


あたしが聞くと、響は頷いた。


「そうかもしれない」


そう言い、宝箱へ移動する。


教卓の上の宝箱はすでに水に沈んでしまっているが、電子パネルは生きているようだ。


「誕生日を知ってるの?」


「あぁ。一応生徒会長だからな。先生のプロフィールを教えてもらったことがある。佐竹の誕生日は6月2日だ」


響は言うと、大きく息を吸い込んで水中へと潜った。


あたしの心臓が早鐘を打ち始める。


もしも佐竹の誕生日で合っているとすれば、613+6+2。


答えは621だ。


これで宝箱が開くかどうかわからない。


もしも失敗すれば……。


脳裏に優香と秀が打たれた時のことが蘇ってきて、苦いものがこみ上げてくる。


でも今度はきっと大丈夫。