キス、涙々。



ああ、法廷で罪を告白する罪人ってこんな心境なのかな……

なんて思っていたときだった。



堪えきれない、といったように加賀屋くんが吹き出したのは。




「おまえヤバすぎ」

「え、やば……え?」


「マイナス思考にも程があるだろ。むしろここまできたら逆にすがすがしいわ」



いつも無表情なあの加賀屋くんが、笑ってる。

ぽかんと見つめていたら、さっと表情を戻されてしまったけど。


それでも、こんなことを言ってくれた。





「あんたみたいなやつには、遠回しに言わないほうがいいのかもな」



って。