頭のなかはそれでいっぱいだった。 なんで、なんで? わたしは怒ることがあまり得意じゃない。 怒りを覚えることさえ、めったになかった。 それでもどうしても許せなかった。 “お眼鏡にかなう” “攻略” “泣き虫なアユリちゃん” そのひとつひとつが鋭利なナイフとなって、心の奥深くまで突き刺さる。 「わたしは……──、」 誰にも届くことのないつぶやきは宙に溶けて消えた。 ──────アユリちゃん。 アユリちゃんは、わたしの第二の名前だった。