可愛いなぁ……だからこそ、意地悪な電話をしたんだ。

 途中で切られた事は、勿論、意地悪をしてやる。

 それより、先輩がなにか悪い虫に寄られてないか心配だな……。

 と思うと、バンッ!とドアが勢いよく開いて、見えたのはなによりも愛しい結乃先輩の姿。

「随分早かったね、ダメだよ勝手に帰っちゃ」

 すると、ムギュッと言わんばかりに抱きしめられた。

 まさかの行動に、動揺が隠せないのと、寝起きで働かない頭の昨日全てが目覚めた事が体全体に伝わって来た。