乙葉は知らないだろうけど、お前のおかげで俺、自分のこと少しだけ好きになれたんだよ。 本当は男なんて誰も近寄らないくらい牽制したいし、乙葉のことは俺の腕の中に閉じ込めておきたいくらいだけど。 「ん……絢斗くん……?」 まだ眠そうに、ゆっくり瞼を開いた乙葉。 そのあどけない表情に、ふっと笑って頭を撫でる。 「どうしたの?」 「んー、別に」 一生離してやらないから覚悟しとけよ、ばーか。