【side:絢斗】 「ん……絢斗、くん」 ベッドの上。隣で寝ている乙葉を見ながら、思わず頬が緩む。 ……全然余裕なかったな、俺。 こういうことするの初めてじゃないのに、乙葉を目の前にしたら優しくしようなんて余裕はなくなっていた。 潤んだ目で俺を見つめるのも、ぎゅっとしがみついてくる腕も、真っ白な肌も、全部が俺の理性を溶かしていった。