絢斗くんが生まれてきてくれてよかった。 私と出会ってくれてよかった。 あわよくば来年も、こうして隣で笑えたらいいのに。 「……フォンダンショコラ、美味かったからまた作って」 少し照れたようにそっぽを向いた絢斗くんが言う。 「わかった!」 「でも火傷はすんな」 私の指に触れて、手を口元に持っていって。 ちゅ、と火傷の痕に口づけた仕草が王子様みたいで、キュンキュンしすぎて心臓が痛いや。