絢斗くんがさっきまで履いていたはずのローファーと、ちょっとそこまで行くときのスニーカーが並ぶ玄関に、私のローファーが加わる。 いつも家に入る時、ここに他の女の子の靴があったらどうしようって、少しだけ怖くなってしまう。 「あ、絢斗くん」 「なに」 絢斗くんはいつも通りの怠そうな歩き方でソファーまで行って、テレビをつけてから座った。 「この前できたカフェのパスタが美味しいらしいんだけど、一緒に行かない!?」 「行かない」 即答……。 しかも、こっちすら見てくれない。