悪役令嬢には甘い言葉は通じない。




「ほら、ちゃんと見て。この素敵な絵!いつ見ても私って美の象徴なのよ?」



ついでに鏡に映った自分の姿を見て、口角を上げて見せた。


こんな素敵に鏡に映る女性を、他に見たことがないわ。



「ローズベリア……」



寝台から移動してきたルーベルトに私はもう一度絵方を指さすが、背後からぎゅっと抱きしめられる。


そ、そう言えば私さっきから、大分ハレンチなことばかりこのあまり知りもしない異性としているのでは……?


急に少し恥ずかしくなって身じろぐけれど、その腕はやはりピクリとも動かない。



「俺は……君以外興味ないよ」



そっと吐息と共に吐き出されたその言葉に、私は胸高らかに笑って見せる。



「それはそうでしょう。こんなに美を持ち合わせた女性なんかこの世には存在しませんわ!」



誰しもが私を美しいとそう言ってくれるような顔を持ち合わせているのだから、当然と言えば当然よね。

そんな外見ばかりに見とれてばかりの男性が私との縁談話を勧めてくるのは、分かりきっていることだけれど。

それでも私は私に自信があるのだから、その自信が伝わっていると思えば少しは気が楽だ。