ブラインドネス・シンドローム





鼻筋が触れるギリギリの所にある先生の顔にそっと触れてその感覚を確かめていると、先生も私の頬を撫でた。


「患者に手を出すなんて流石にまずいかな」

「もう完治したので、元患者です」

「じゃあ、一人の女性として見てもいい?」

「そうじゃないと困ります」


私から先生に口付けると、一つ笑われたかと思えば伸し掛る先生が私に何度も何度も口付けてくる。

とろけるような甘い口付けに私は嬉しさのあまり涙を流す。

見える景色がこんなにも光り輝いて見えるなんて、ずっと見えている生活をしていた私には想像もつかなかった。

それが今先生のお陰で嘘偽りのない私を見出して、それを受け止めてくれた。

もう二度と嘘偽ることなく私が思うことをこの人に伝えて生きていこう。

でも確かに言えること、私は盲目を知っている以上恋に盲目になることはきっとーー。


「僕以外、見ちゃダメだからね」

「これでもかってくらいずっと見続けますよ」


病気を治しても、きっとこの人のせいで盲目になる、それでも幸せが訪れるのだからそれでいい。

飽きれるくらいずっとあなたを見ていたいから。