一人残された私は誰もいないこの部屋で、時計の秒針が進む音だけを聞きながら何かを堪えながらどれくらいの時が経ったのだろうか。

すると爆発する事もなく静かに燃え広がっていくその何かが全身に痛みを走らせていく。

その何かを感じた私は恐る恐る目を開けて、愕然とする。

ぼやけていた視界がもう光も何も通すこともなく、目を開けているというのに真っ暗な暗闇に支配されていた。

もうこの世界で何かを見ることができない恐怖というものに襲われ、呼吸がどんどん浅く荒くなっていく。


「先生っ……いや、いやあ!!!!」


見えなくなった目をぎゅっと手で覆い隠すように、もうこれ以上光を見失いたくない一心で目を閉じた。

私の背中を撫でてくれるあの優しい温もりも声も何も無い。

最初から真っ暗闇に突き落とされていたのだと、今更思い知る。

どんどん息苦しくなっていって、身体に送られるはずの酸素の供給が追いつかなくなり、そのまま私は気を失った。

……もうこのまま深い暗闇の中へ落ちてしまえと願いながら。