----


私は東堂家の後継者、東堂鈴

2つ上に、少し変わった姉がいる。


時々嫌になるくらい、お姉ちゃんは優しかった。


お母様に愛されてるのは私だと、幼いながらに分かってしまった。自分でも分かるくらい私は我儘に育った。

それが普通だと思っていた。


でも思い知らされた



環境に甘えていただけだと



お姉ちゃんは、なんでもできる人だった。小さい頃はなんでもできるお姉ちゃんは、完璧だった。
けど、お母様に愛されているのは、私だった。

その事が嬉しくて仕方なかった。



けど私は、優秀なんかじゃなかった



ただ東堂に産まれただけ。自分がすごいなんて事なかったんだ…


正直あの頃は、お姉ちゃんが好きではなかった。後継者にも選ばれない、出来損ないなんだと思っていた。

けど全然違った



お姉ちゃんが合格した試験や学校、講座すべて、私は一回で受かったことはない。
もはや、受からないものもあった。

お姉ちゃんは…すごい


環境に甘んじた結果だった。

悔しかった


きっとお母様の愛がなければ、私なんて後継者候補にさえならなかった。


そんなお姉ちゃんは、ある日を境に変わった。