昴が指を刺した方に倒れていたのは、水瀬だった。久しぶりに見た

助國さんの所で最後に見た以来


「こいつ、やる気無し?」

「そうちゃう?なんか…あの廃校で会った時と全然ちゃうやん」


敦子はこいつ生きてんの?としゃがみ込んでいる水瀬の顔を覗き込む

罠やったら…そう思ったけど、水瀬は動かなかった。

何があったんや


目立った外傷はない

やのになんで水瀬はここに居る?泉達をすんなり通したん?


「まぁ、ええわ。何もしてくる気配がないから、先行こう。この廊下渡切ったところにいるはずや」


水瀬から敵意を感じない。というか、こっちを見ることもしない。
なんか…魂が抜けてるというかさ?

何もしてこないから、時間かけたくないしそのまま行こう。


と思ったけど

一つ話さなあかんことがあった


車の移動中に昴から聞いた、あのアルバムの女の子の話。
水瀬の妹かもってゆう話

これだけは……もう皆瀬に会うこともないかもしれへんから、言っとかな


最後の機会や