あとは…


森先生はあたしの目を覗き込んだ


指で目を追えと言われて、先生の人差し指をじーっと見る



「髪の毛が黄色い男の子がね、東堂さんの左目が見えてないかもしれないって教えてくれてね。目まで調べてなかったから調べたんだよ。」


黄色か
泉かな

泉はなんで知ってるんやろ。気づかれたか。


「いつからだい?」

「…半年前かな。強いストレス受けた時に…悪化します」


普段は気にならへん程度やってん。もしかしたらもっと昔からなってたんかもしれへんけどさ。


「ここ1ヶ月かな。左目のモヤがどんどん広がってきた」


想像以上に悪化スピードが早くてビックリした。東堂の病院も半年前に行ったっきりやから、治療も何もしてない。


「失明する?」


遠回しに言われてもズバッと言われても同じやし、気になってたことを聞く。

森先生は悲しそうな顔をしてるから。


見えなくなるのは不便なんやろな…



「失明しないように、治療するしかないね。でもこれだけは、治るってこともないから…」