バレてもいい。

今日この瞬間だけ乗り切れればいいから。

あたしの力をここに賭ける


無駄に今まで喧嘩してきたわけちゃうねんから。

うっ


サトルの苦しそうな声


「なに?こんなにやれたんだ?知らなかった」

「そりゃどーも。これでも薔薇の総長して、関西ナンバーワンやったもんでね。負けん気と根気だけは、ピカイチやで」


踏み込み軸足の右足で軽くジャンプをして、左足を回し、蹴る



「っく!」



見事にサトルの顎にあたしの足が入り、サトルは軽く跳んで地面に転がった


やったか?



「杏!お前は本当に!俺がやるって言ったろ!!!」

「お、怒らんといてよ」


隙を見て泉があたしを怒りにきた。

だって調子が戻ってきたんやもん。開き直ってしまったんやもん。