「まぁ、新入社員があまりに注目されてると気に入らない人っていうのも一定数いるから、そこは仕方ないよ。でも、そんななか四宮くんはしっかりと結果を残し、二年も経った頃には陰口叩く人なんていなくなったのです」
昔話みたいに話した浅尾さんが、にっと笑ってから「どうどう? カッコいいでしょう」と自慢するみたいに笑うから、ふふっと笑いながら「はい」と答える。
「なんだか、副社長らしいですね」
「でしょう。四宮くんはあまりそういうの気にしないらしくて、飄々と仕事してたんだけど、同期の私たちからしたらおもしろいもんじゃないじゃない? だから心配してたんだけど、本人は淡々と結果を出して誰も陰口叩けないほどの位置まで昇り詰めたの。さすがだよね」
浅尾さんが手動のスイッチを握ると、シャワーのように細かくわかれた水がホースから飛び出てくる。
ブルーのボディーにくまなく水を浴びせながら「まさに同期の星だよ、〝四宮副社長〟は」と浅尾さんが笑う。
美人なのに、くしゃっと思いきり笑う浅尾さんの笑顔がとても好きだなぁと思いながら眺めていると。
「ところで鈴奈ちゃん。もしかして、四宮くんに興味が?」
にたぁ、とした顔で聞かれ、慌てて首を振った。
「そういうわけじゃないんです。ただ……なんていうか。共通の知り合いがいたので、気になっただけで」



